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2017年1月5日木曜日

ターンテーブルの駆動方式

ターンテーブルの駆動方式

過去のメーカー製のものにはいろいろあった。
そして、オーディオマニアたちは、永遠に答えの出ない問題に取り組んでいる。

現在の既製品は恐らく、サーボのダイレクトドライブか、ベルトドライブだろう。
それ以前、サーボ技術がなかった時代は、シンクロナスモーター、インダクションモータなどの交流モーターのベルトドライブが一般的、あるいは糸、又はアイドラーで動かしていた。
それより以前は、良質なゴムがなかったため、アイドラーは静かなもの、耐久性のあるものが出来なかった。
その為、ウォームギアが使われていた。

さかのぼればさかのぼるほど、大型、そして回転音の大きいものとなる。

大型でうるさい、一見すると現代のプレーヤーよりも劣って見えるのだが、オーディオマニアたちは、サーボモーターの登場する以前のモデルを愛用している。

私自身も現代の物と古いものを聴き比べて、圧倒的に古いプレーヤが良いと感じる。

じゃあ、昔の駆動方式を現代の技術でリバイバルすればよいじゃないか?

答えはそれほど簡単ではない。
音を決定づける要素は材質(真鍮、アルミ、ステンレスなど)、強度(シャフト径、プラッターの厚み、キャビネットの厚みなど)、回転モーメント(プラッターの重量、高速イナーシャ、モーターのローターの質量など)それにプラスして駆動力の伝達(モーターとの連結方式)が絡んでくる。

さらに、これらは組み合わせの問題であり、単体で良いものを選ぶことは出来ない。
例えばサーボモーターを使う場合プラッターの質量は十分大きい方が良いが、シンクロナスモーターを使う場合重すぎるとかえって音が鈍くなる。

だからこそプレーヤーまわりの問題には諸説あり今後も試行錯誤が続くのであろう。

今回、私はウォームギアに挑戦した。
ゴロ音(再生中にゴロゴロ音がすること)がたいていの場合大きくて調整に苦労するわけだが、私のように産業用の汎用部品を使う場合、なおさら苦労させられる。


今回はスピードコントロール付きのインダクションモーターを使った。
インダクションモーターとシンクロナスモーター、オーディオマニアの間でもどちらが良いか意見が分かれる訳だが、シンクロナスモーター、を使う場合これにさらに回転数を合わせ仕組みが必要になる。

モーターを500mmの長いシャフトで連結しているのはなぜか?
ミスアライメントの吸収、モーターの振動の吸収のためである。
オルダム式カップリングなどを使うのも手だが、余計な機構を設けないのも音作りには重要なことであり、今回も発注はしたが、使わなかった。


プラッター受け軸である。
これまた用途外使用であるが、チェーンスプロケットを対向して付け、フリクションクラッチの機構を設けてある。
ここにクラッチを付けるとギアに余計な負担がかからないので、大きなものを使わなくて済む。


以前に使っていたアイドラードライブの写真も載せておこう。


やはり、長いシャフトを使って振動を制御するやり方だ。
これはリアクションシンクロナスモーターを使っていて、回転数の調整はアイドラーの当たる位置を調整する。
機構部のアップがないので良く分からないかも知れないが、上の写真で言うと、上の板がプラッターで、下の板はアイドラーを当てるためのサブプラッターと言える。
下からアイドラーを当てているので、回転数を落としたい場合は内周にアイドラーの当たる位置をずらせばよい。
音は良いのだが、これもやはりゴロ音との闘いであった。

もう一つプレーヤーを載せておく。


これは去年のコンサートで使ったプレーヤー。
ゴロ音はないが、音は上の二つほどのインパクトはない。
それに、モーメントが小さすぎて、少しワウフラが出ていた。かなり短い周期のフラッターなので、少し回転モーメントを大きくすれば解消されるだろう。
モーターは超低速シンクロナスモーターと呼ばれるもの。構造はステッピングモーターと同じで、それを交流電源に同期させている。
駆動側のプーリー径が大きい事に気づいたと思うが、このモーターは中部圏(60Hz)では72回転となる。そのため、プーリーは大きく糸ドライブでも伝達ロスはあまりない。

しかしまあ、このプレーヤーも伸びしろがあまり期待できないので、この辺で良しとする。

次回、2017年4月のコンサートはウォームギアのプレーヤーを持ち込もうかと考えている。
今の段階ではゴロ音が気になるが、音の密度感や実態感は飛びぬけているので、もう少し追い込んで間に合わせたいと思っている。

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